ALNOTE

自分のためのINPUT/OUTPUT。好きなものを書き連ねるブログ。

残業ers High

 仕事なんて、定時になったら即刻帰りたい。本当の本当に、その日のうちにやらなければならないことでもない残業なんて1分たりともやりたくない。自分の人生の中心は決して仕事じゃない。
 と思っているのですが、現実はそうもいかないこともあるわけで。
 ただ、そんな考えの持ち主なので、20時を回る頃には「自分何でこんなことやってるんだろう……」という虚しさを覚えることもしばしば。おそらく感じなくていいストレスを勝手に感じている。

 そんな私でさえ、高稼働が続くと感覚がおかしくなってくる。残れる限り作業を進めなければならないという状況になってくると、妙に前向きな気持ちでひたすら手を動かせるというか……解りやすくいうと「ハイ」の状態になっている。Runners Highならぬ残業ers Highだ。
 何年か前だったら、何の疑問も抱かなかったかもしれない。でも今ははっきり解る。この状況、明らかにヘンだ。まやかしというか、どうも危うさがあるような気がする。例えば、そのままの勢いで道に飛び出して車に轢かれたりしてしまいそうな。強制的に元気にさせられているような感覚がある。

 ランナーズ・ハイは、神経伝達物質のエンドルフィンが作用しているのではないかといわれている。「脳内麻薬」なんて呼ばれることもあるものだ。もしかしたらこれも、嫌な筈の残業=苦行というところからくる、人間に備わった自衛本能みたいなものなのかもしれない。
 「帰れないプロジェクト」は、夜遅い時間になるにつれて、どうも皆そのような不自然な明るさが出てくるような気がする。もう絶対何か麻痺してる。

 大切なことは、このことに自覚的でいることだ。気づいていなくて、「自分はまだまだいける!」と思ってしまうことが一番怖い。本当にやる気に満ち溢れちゃう人もごく一部いるんだろうけれど、大抵の人は自分を騙し騙しやっているんじゃないだろうか。
 「責任感」とか「他人の迷惑」とかいう言葉で、巧妙にコントロールしてくる嫌な文化もあるけれど、自分が変だと感じた感覚はちゃんと大事にしよう。自分のことにまで目を瞑ってると人生に関わる。こんなつまらないことで倒れたり病気になったりしたら、それこそ人生の損失なんだから。