ALNOTE

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【お題】「私のお父さん」

 うちの父親は、現在60歳前後の一般的な日本の父親像からは少しずれていると思う。何といってもお喋りなのである。

 同世代の人に訊くと、「父親とはほとんど話さない」と言う人が少なくない。父親が本当に無口なのかどうかは別として、日常的にコミュニケーションを取る習慣がないのだそうだ。父親のパーソナリティーについてもあまり知らないらしい。ちなみに、どうしてそんなことを人に訊くのかというと、それは私と父のやりとりを見た人が口々に「お父さんとよく話すんだね」と言うので、興味が出てきたためだ。
 これは、私としては反対に驚きだった。私と父、というよりも、家族内での会話量は普通(標準)だと思っていたし。まあ、どちらかというと話す方かなとは思っていたけれど、「たまにしか話さない」「全く話さない」ということが本当にあるのだろうかと。実際にはあるし、少なくないようだ。
 その在り方はそれぞれとしても、家族のメンバーにあまりよく知らない人がいるというのは、純粋にどんな感じなんだろうと思う。

 私の父親がお喋りなのは、家族とコミュニケーションを取ろうと努力したり意識を持っているからではない。単純に性格である。よくも悪くも自分に忠実なので、特に「子どもとは、家族とはこう付き合おう」なんて、考えてもいないのである。
 でも、社会人になってから強く思うようになったことがある。私が比較的社交的な性格に育ったのは、どうやら父の影響なんじゃないだろうかと。
 母親はどちらかというと慎重なタイプなので、人に物怖じせず話しかけたり、自分の意見をきちんと口にしたりできるようになったのは、どう考えても母の影響ではないだろうと(実際、何か引っかかることがあっても言葉にならなかったり、言えないというのは悩みだったらしい)。ただ、父は一所懸命子育てに励んでいたタイプでもないので、どうしてそんな風になったのかはちょっと不思議。

 勿論、父親としてどうなんだろうと思うところが全くなかったわけではなくて、どちらかといえば子育ては母に押し付けてたタイプだし、反抗してた時期もあったけれど、会話というコミュニケーションを取れる下地があったお蔭で、いま「よく知らない家族」にならないで済んでいるんだと思う。特に私の世代は、父親不在が決して珍しくなかった世代だと思うので……(いまもそういう家族はあるだろうけど、大分変わってきてるよね)。
 基本的に自分の話したいことばっかり話している父だけど、そう見えて私のことをしっかり解ってくれていて、あることで困っていたとき(私の立場からは上手く伝わらないところ)気持ちを代弁してくれたこともある。だから、100パーセントまではいかなくても、きっとある程度解りあえている……と思っている。

 明日は父の日。これからも元気に楽しい人生を送ってほしい。


今週のお題「私のお父さん」